この日記はサマーバケーション夜の部の話になっています。
なんかエロティックな話になっているかもしれません
見る方は自己責任でお願いします。
苦情?受け付けねぇな。
「うわぁ……人いっぱいだねー♪」
浴衣を着て、隣にいる姫輝はそういってすごくはしゃいでいる。
ムードもなにもあったもんじゃないが、彼女らしいと言えば彼女らしい。
……まぁ、彼女の身長と自分の身長をせいでどう考えても”保護者”にしか見えないのだが。
「ねぇねぇ!射的とかあるよ!やっていい?やっていい??」
「あー、はいはい。どうぞどうぞ」
屋台の人にPSを払い、射的ゲームを始める姫輝。
ああいうのは大物ほど取れないようになっているのだが、姫輝は知らないのだろう。でかいぬいぐるみばかり狙っている。
「お兄さん!ぬいぐるみ取れない!どうなってるのー!?」
「うーん、お嬢ちゃんが下手なだけじゃないかな?ほれ、そっちのお兄さんにやらせてみなよ」
「えっ」
このおっさん、こっちにふってきやがった。
姫輝様は「とってとって!」と迫ってくるし、
おっさんは「いいとこみせなよー」と言ってくる。
無理に決まっている。あんなでかいもん、どうやってとるんだ。
「………」
仕方なく銃を受け取って、ぬいぐるみに狙いを定める。
パン、という乾いた音とともに放たれるがぬいぐるみに的中しても倒れはしない。
「あー、残念。またおいでー」
おっさんはニヤニヤした顔でこちらをみてくる。つまり、こういいたいのだろう。
”リア充死滅しろ”と。
「すごい屋台の量だよねー。こんなに沢山あるなんて……。葛綺の地でもここまで大きいのはできないのにー」
そりゃそうだ。あそこは山なんだから。
あちらのお祭りでは、麓から神社までの道を屋台で埋めている。
こうすれば、神社に賽銭は入るし屋台の人達にも利益がまわる。
もちろん、頂上の辺りと麓の辺りはどうしても儲けてしまうが、それは仕方ない。
彼女が腕を絡めてくる。身長差は少し浮かぶことで改善している。そこまでして腕を組みたいのか、と聞いたら怒られてしまった。なんでさ。
「照夜照夜!もうすぐ花火だって!日本の花火がこんなところまで進出してるんだねー。すごいなぁ、楽しみだなぁー」
……たしか、花火師って人達がいたとおもうんだけど。
「たーまやー!!」
砂浜にいき、海上で打ち上げられている花火を見る。
辺りを見渡すと、カップルが多かったり友達同士が多かったりとする。
花火をみながら、たまにカップルの方を見ると……あ、キスした。
「かーぎやー!」
姫輝が大変楽しそうです。それはそうだろう、向こうの世界では1人しか彼女を視認できる人はいなかったのだから。
こうやって、周りと声をだして叫ぶのが楽しいのだろう。
「照夜もホラ!たーまやー!!」
「たまやーん」
「たまやんって誰!?」
「チューヤン!」
「チューヤンって誰!?」
「\中村屋!/」
両手を広げて大きく声を出す。周りがこっちを見るが、気にしない。
「もぉー!照夜、ちがうよ。玉屋ーだよ?しってるでしょ?」
「ええ、しってますとも。その後は鍵屋ですよね」
「しってるならちゃんとやろうよー」
不服そうな姫輝。どうやら少し遊びすぎたらしい。
彼女の頭を撫でてやると、気持ちよさそうに目を細めてこちらに頭を倒してくる。
「……騙されてる気がするー」
「悪い男に捕まりましたね、姫輝様」
「ほんとだよ……。どうしよう、逃げちゃおうかなぁー」
楽しそうに口元を綻ばせながら、あたまをグリグリと押しつけてくる。もっと撫でろ、ということだろうがまるで猫みたいだ。
逃げられてはこまるので、撫でるのを止めて腰に手を回す。
彼女はビックリしたようだが、誰の手か解るとその手を握ってくる。
「………」
「……?姫輝――」
顔を真っ赤にしてこちらをみてくる姫輝に何かを感じて、話し掛けようとしたが突然口を塞がれる。
ただ唇をあわせているだけのキスだが、気持ちよいと思う反面物足りないと思ってしまう。
口の中のものが動き、彼女の口へ侵入しようとするのを抑える。
空いている片手は強く握りしめて、理性を保つために痛みを発する。こうでもしていないと、彼女をここで――。
「――はぁ……」
「……」
ゆっくりと唇が離れていき、彼女が寂しそうなため息を漏らす。
顔が真っ赤なのは変わっていないが、目がさっきとは違う。
その顔は、女の子の顔ではなく1人の”女性”の顔をしていた。
「……エッチなのは嫌いなんじゃなかったんですか」
「知らない知らない知らないー」
頭をグリグリと彼の胸に押しつける。彼女なりの甘え方なんだろう。
照夜もそれを解っているのか、姫輝の頭を撫でながら腰を強く引き寄せる。
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